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YouTubeでゲーム実況動画見てたら目薬の広告が表示される【Google広告の凄さ】

どうでもいいことかもしれないけど、私にとってはすごく興味深い体験でした。

簡単にいえばYouTubeでゲーム実況動画見てたら、今までまったく興味のなかったジャンルの広告が表示されるようになったということ。

結論からいえば、これはGoogle広告ネットワークの「類似ユーザ」機能による事象でした。

いままで興味なかったのに、

なんでこんな広告が表示されるんだろ?

と疑問に思った経験はありませんか?

この記事では私の体験を素材に初心者向けのGoogle広告の仕組み、そして「類似ユーザ」機能について解説しています。
ウェブ広告の担当者、これから売り出していきたいYouTube配信者向けです。

では、まず何が起こったかから。

 

何が起こったか

いつものように、ゲーム実況者はまちさんの配信を眺めながら作業していた後の出来事。
具体的には以下の動画です。

 

 

補足

はまちさん

主に深夜時間帯にPS4だったりレトロゲームを実況されているストリーマーさん。
とにかく声がカワイイ。

YouTube

 

配信中、しきりに目薬の話をされていたので、たしかに目薬の事は気になっていました(ちょっとだけ、ほんのちょっとだけね!)。

配信終了後、翌日の日中くらいでしょうか。
同じPCで何かのサイトを閲覧中に「目薬の広告」が表示されたわけです。
これまで目薬の関連のキーワードで検索してないし、医療系の関連ページも閲覧したことがないのに、です。
というか、リアルで目薬買ったこともない…。

 

Google広告の仕組み

結論から言ってしまうと、これはGoogle広告の「類似ユーザ」の仕組みによって起きた現象だと推測されます。

以下、簡単にGoogle広告の仕組みを説明しています。
(ご存知の方も多いと思うので適宜飛ばしてください)

 

Google広告の基本

皆さんご存知のGoogle先生が展開する広告ネットワーク(Googleディスプレイネットワークといいます)です。
なんと全世界のネット利用者90%にリーチするとされています。

そして、単に広告を表示というだけでなく、同じ数のユーザから情報を得ているわけです。
情報とはユーザの年齢・性別といった属性から、趣味嗜好・興味・関心といった特性まで含まれます。
これらの情報はユーザが閲覧したサイトや購入した商品、そしてYouTubeの視聴履歴などから入手されます。

こうした情報を元に、配信する広告が選び出され、あなたのスマホ画面に表示されているわけです。
しかも、全ユーザーで同じ広告(CMとか街頭広告と同じ)ではなく、個人に最適化された広告(Personalized Recommend)です。
こうした広告を可能にしているのがGoogle広告なのです。

 

類似ユーザとは

個人から集めた情報を組み合わせると、あるユーザと他のユーザの共通点などもGoogleが理解できるようになります。

「類似ユーザ」は既に商品などを購入したことのあるユーザと似ているユーザにアプローチする機能です。

参考:Google広告 FAQ 類似ユーザ機能

類似ユーザの元となる「リスト」はアクセス解析サービスなどを通じてGoogleが取得したものを使用します。
実際に商品を購入したユーザをアクセス解析によって特定してリストとして持っているわけです。
Googleはそうした「既存の顧客」と、似ているユーザを機械学習(AI)によって理解しています。
似ているユーザの割り出しには、趣味嗜好や興味関心が似ていたり、もしくは職業や居住地が近かったり、聞いている音楽が似ているといったことから分析するのかもしれません。
正直そこは人間が理解できることではないでしょう。

話が逸れましたが、類似ユーザにアプローチすることができるので、たとえ新規さんだとしても商品を購入する確率が高いことになります。
こうした仕組みで広告の成果が出やすいようにしているんですね。
先生すごい。

機会学習の勉強をしたことがある方は「レコメンドエンジンのGoogle広告版」と表現すればピンとくるかもしれません。

 

用語解説

レコメンドエンジン

Amazonなどの通販サイトで買い物していると、「あなたにおすすめの商品」とか「この商品を買った人はこれも買ってるよ」とか出てきますよね?あれです。

以下、より詳しい説明(興味ある人用)

商品の推薦する仕組み(アルゴリズム)には
"Non-personalized recommend"と"Personalized recommend"がありますが、レコメンドエンジンは後者の代表例。
personalized、つまり個人に最適化するために、主な手法として協調フィルタリングが使われます。

ユーザごとに購入した商品のリストを調べた上で推薦する商品を選ぶ手法です。
イメージ通りですね。

協調フィルタリングでは2つのデータセットを用意します。

  • ユーザとユーザの類似度
  • 商品と商品の類似度

これらの情報から、類似するユーザ(もしくは類似する商品を購入したユーザ)に商品を推薦するわけです。

ところで、ユーザの趣味嗜好は時々刻々と変化していますよね。
なので一般に、「ユーザ間の類似度」を知るには膨大な計算量が必要になります。
一度計算したデータセットも頻繁に更新されるので、状況に応じて頻繁に再計算が必要になり、商品間の類似度のほうが実用性が高かったわけです。

でも豊富な計算リソースを持っているGoogleならできちゃうんですよね・・・

 

何がそんなにすごいのか

そんなGoogle広告ですが

いや、ユーザの嗜好に応じて広告が最適化されるのなんて20年以上前からやってるやん?

という声が聞こえてきます。

もちろん、ネット広告の入札システムとかユーザ追跡型の広告の素晴らしさについて議論したいわけではありません。

すごいと思ったのは

ポイント

・数人しか同時視聴していないのに適切に同じ購買行動をとるユーザを識別していること(Google先生すごい)

・視聴者の次の行動を見透かしていること(Google先生すごい)

・配信者の何気ない発言が視聴者を行動させる力を持っていること

整理するとこんな感じ。

Googleからしてみると
「なんとなくコイツこれに興味もっていそうだな…」という段階から
「コイツにこれ投げればほぼ確実に買うな」というステータスに移行してる。

そして、顧客のターゲットとなる集団というよりは、ターゲットとなる個人を明確に見定める能力を獲得し始めたところも興味深いですね。

また、コンテンツの発信者(今回だとYouTubeライブの配信者)にその気がなくても、特定の商品の宣伝効果をもたらしています。

そしてたぶんここが一番重要なんですけど、その宣伝効果を観測可能な形でもたらしていることがすごいなと感じています。
昔だと口コミ効果の正確な効果測定なんてできませんでしたよね。
Googleのエコシステムの中限定ですが、限定的に測定できるようになっているのがすごいなって。

 

広告の強みをどう活かすか

上記をふまえて、この強力なGoogle広告という仕組みをどう活かせるのでしょうか。

広告担当者にとって

  • 思わぬところに潜在顧客がいることを知っておきたい
  • 「類似ユーザ」がサイトを訪れる導線を検討する
  • コンテンツ配信者の影響力を理解する(自社にまったく関係ないコンテンツでも購買行動を誘起するかもよ)

動画配信者にとって

  • 配信するだけでかなり影響力を持っていることを理解してほしい(広告収入だけじゃない)
  • 単純に企業とコラボする以外にも収益化できるかもよ(具体的なアイデアはないけど…)

まとめるこんな感じです。

 

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