会社員でプログラマーとして働いている人、インフラやネットワークのエンジニアとして働いている人の中には、フリーランスのプログラマーとして独立、もしくは転向したい人もいるのではないでしょうか。
また、現在10代、20代の学生や新入社員で、現状に不満を抱えていて、フリーランスという働き方が気になっている人も多いでしょう。
今回は、そんな人に向けて、フリーランスプログラマーとして実際に仕事をしている私が、実際の仕事内容(年収)、プログラマーになるまでの道筋、案件を得る方法を具体的に解説しています。
フリーランスプログラマーの仕事内容と年収
プログラマーの仕事はプログラムを書くコーディングが中心です。コーディングして作ったプログラムをプログラマー自身がチェックするテストという工程をおこなって、上流のエンジニアに納品するのが一般的な流れです。
現在はWeb制作の案件が非常に多く、RubyやPHPなどの言語を書けるプログラマーが歓迎されます。その他の現場も人手不足で、JavaやC言語、Python、JavaScriptなどはプログラマーが不足している人気の言語です。
言語 | 年収ボリュームゾーン | 経験者の年収最高 |
PHP | 460~720万円 | 920万円 |
JavaScript | 300~940万円 | 1,220万円 |
Ruby(Rails) | 760~1,070万円 | 1,450万円 |
Python | 650~1,130万円 | 1,580万円 |
Java | 520~1,020万円 | 1,530万円 |
C | 500~1,010万円 | 1,570万円 |
C# | 490~950万円 | 1,550万円 |
Go | 750~1,230万円 | 1,680万円 |
Swift | 600~1,190万円 | 1,700万円 |
案件の内容や常駐・リモートの割合などによって、同じプログラマーでも単価に幅があります。
平均するとフリーランスプログラマーの平均年収は500~800万円の範囲が多く、経験やスキルによっては1,000万を超えてくる人が多いという実感です。
希少性の高い新しい言語や人口が少ない言語は、平均年収が比較的高めです。また、他の言語のスキルも持っていれば、単価がより高くなる傾向があります。
なお、産業全体(全年齢層・男女平均)の収入は以下のとおり。全体的に見ても、平均500~800万円(月当り42~67万円)のフリーランスエンジニアは稼げる職業です。
フリーランスプログラマーの疑問に答えます
まずはこのページを読んでいる多くの人が疑問に思っていることから、現役エンジニアの視点で解説します。
未経験でもフリーランスプログラマになれる?
回答:なれます!
なぜなら、人手が圧倒的に不足しているから。
IPA(情報処理推進機構)が調査した結果、過去5年連続でIT人材不足が増加しています。IT人材の供給が「大幅に不足している」・「やや不足している」と回答した企業は全体の8割近くになります。
つまり、プログラマーの需要が史上最高レベルで高く、フリーランスにも仕事を依頼したい企業がかなり多くなっているということです。他の業界と比べても仕事が得やすい環境にあるといえるでしょう。
プログラマーが不足しているのは教育環境の不足。エンジニアを育てる学校の不足なども相まって、スキルを持っている人の供給が全然少ないのです。
だからこそ、未経験の人材でも積極的に採用しようという企業が増えているんです。
さらに最近では、未経験者でもスキルを獲得できるスクールや教材が充実してきました。素人でも体系的にプログラミングを学べる環境になり、フリーランスとして独立するまでの期間も短くできます。
こうした理由から、未経験でもフリーランスプログラマにはなれると断言します。
○○歳だけど間に合う?
回答:間に合います。ただし、現場による。
よくあるのが、
「30代だけど、転職できますか?」
「40代でもフリーランスになれますか?」
と聞かれるのですが、フリーランスのプログラマーとして活躍できるかどうかという点では、全然問題ありません。特にリモート案件では、どんなに年齢を重ねていても稼ぐことはできます。
ただし、常駐案件となると事情は変わってきます。
常駐フリーランスのプログラミングやテストなどの下流工程では、単価の安めの若手プログラマーが有利です。現場によっては年齢が高く、高い単価の人を無理に採用する必要はないのです。そういった現場では、年齢を理由に断られることもあるでしょう。
反対に、スキルの高いベテランのプログラマーが歓迎される現場もあります。また、これまでの経験値を生かせるような、難易度の高い現場では逆に重宝されることも。
あくまで年齢は、フリーランスとしてどんな働き方をしたいか考える際の材料にするといいでしょう。
スキルが少ないと年収に悪影響?
回答:悪影響します。でもスキルはいくらでも伸ばせる。
フリーランスに求められるのは、あくまで即戦力です。現場では手を動かして成果を出す必要があります。親切丁寧にレクチャーしてくれるのを期待してはいけません。
そのため、スキルや経験値が少ないと、対応できる案件が絞られてしまい、結果として年収が下がります。平均収入が高いフリーランスプログラマーでも、スキルが不足していると収入は低空飛行になりがちです。
ですが、プログラマーのメリットは、スキルを着実に伸ばせること。
会社員として実務経験を積むのもいいですし、各種言語を体系的に学べるプログラミングスクールも多くあります。スキルを伸ばしやすく、スキルの向上にあわせて年収も上がっていくのが可視化される、数少ない職業がフリーランスのプログラマーです!
こちらの記事にフリーランスプログラマーに求められるスキルを総合的にまとめました。お時間のある際に読んでみてくださいね。
フリーランスプログラマーになる流れ (王道!)
未経験者がフリーランスのプログラマーになって稼ぐまでの道筋を解説していきます。
現在、社会人の人も学生の人も共通です。以下のステップでフリーランスとして独立する「王道」の流れをぜひ実践してみてください。
フリーランスになるまでの「王道」ステップ
- 基礎のIT知識を学ぶ
- プログラミングのスキルを身につける
- 正社員として働きながら経験を積む
- 実践(独立、開業)
基礎のIT知識を学ぶ
プログラミングを本格的に学ぶ前に、PC(パソコン)の使い方や「ITとは何か?」を分かっていないと挫折する可能性が濃厚です。
なので、まずは基礎のIT知識を仕入れておきましょう。
独学でも人に教えてもらってもいいですし、方法は様々。今回は、お手軽なオンライン教材で一通り学べる Udemy を紹介します。
世界中で15万以上のコースが開発されていますが、基礎知識を得るなら以下のコースがいい感じです。どれも無料~3,000円程度で最後まで受講できるので、本を買うより安いです!
また、無料で学ぶならProgateもオススメ。
Progate(プロゲート)は完全オンライン完結で手軽にプログラミングを学べるサービスで、基礎レベルのレッスンは無料で見られるのが嬉しいですね。
プログラミングのスキルを身につける
ITの基礎知識を取得したら、次は実務的なプログラミングのスキルを獲得していきます。
このあとのステップ「働きながら経験を積む」を考えれば、転職保証付きのプログラミングスクールに入学するのが一番の近道です。
転職保証があるところでは、TECH CAMPや、DMMウェブキャンプCOMMITが安心してオススメできます。
現役プログラマとしてオススメするスクールはこちらのページで解説しています。選んではいけないスクールの特徴や注意点も解説しているので、お時間のあるときにどうぞ。
その他、上でも紹介したUdemyで完全独学する方法もあります。独学が向いている人にとっては費用対効果は抜群です。仕事を獲得したいカテゴリや言語をセレクトして、どんどん学習を進めていきましょう。
正社員として働きながら経験を積む
すでにIT系の仕事で社会人経験がある方は、すでに説明したスクールなどでスキルを得たら、フリーランスとして独立、活動していきましょう(次の「実践!」参照)。
プログラマーとしての業務経験がないまま、いきなりフリーランスとして独立する道もあります。上述のとおり、このルートも無理ではないですし、執筆現在だと稼げなくもないです。ですが、積極的にオススメしていません。
なぜかというと、収入の天井が決められてしまうから。
高収入が魅力のフリーランスプログラマーですが、スキルや経験値がないままフリーランスとして開業すると、ほぼ確実に低単価の案件しか受注できません。本来は単価が高めな常駐案件でも、相場より同じか低めのところでしか採用してもらえないでしょう。
実践!
スキルを獲得したら、あとは独立して仕事を獲得していきましょう!
フリーランスは何よりも経験がモノを言う世界。経験値を蓄えていくことで、より高単価の案件を獲得できるようになります。
以下では、フリーランスプログラマーとしてお仕事を得る方法を解説していきます。
フリーランスの仕事を得るには
会社員では仕事は自動的に獲得できるかもしれませんが、フリーランスだと仕事をもらう方法は様々です。
どれが一番オススメとか、稼げるとかはありません。状況に合わせてベストな方法を選んでいきましょう。
フリーランスエージェントに登録する
フリーランスのプログラマーとして安定的に稼いでいくには、フリーランスエージェントに登録して仕事を提案してもらうのが、確実性が高いです。
エージェントはフリーランスの代わりに案件の営業、条件交渉、契約手続きを行ってくれるサービス。常駐、リモートワークなどの希望条件を元に、フリーランサーの経験・スキルに合わせて、案件を提案してくれます。
特に初心者の「営業ってどうすればいいの…?」という悩みを解消してくれます。また、営業にかける手間をなくしてくれるのは大きなメリットです。最初は積極的に利用していくのがオススメです!
以下では、特にオススメしているエージェントを紹介します。
ポテパンフリーランス
ポテパンフリーランスは他のエージェントと比べると経験値の少ない段階からフリーランスとして独立するエンジニアにおすすめしています。それは、現場経験が2年未満でも十分に案件が紹介してもらえる実績があるから。最大手のエージェントと比べれば全体の案件数は少ないですが、その分ベンチャーなどの案件が豊富です。若手や未経験者のサポートが充実しているところが最もオススメできるポイントです!
専門分野 | エンジニア、デザイナ、ディレクター、PM | |
---|---|---|
対応地域 | 東京、大阪 | |
サポート体制 | 税理士・FPによる節税、保険サポート | |
運営会社 | 株式会社ポテパン | |
向いてる人 |
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ポイント
- 有力ベンチャー企業の案件が豊富
- エンド直・元請け案件が多数
- 若手、未経験のエンジニアでも安心のサポート
- 案件参画後も丁寧なフォローアップあり
クラウドソーシングサイトに登録する
クラウドソーシングのサービスが広がるについて、フリーランスのプログラマーが活躍できる機会が大幅に増えました。業務を同時に大人数のエンジニアに発注できるので、大手企業を中心にクライアントがすごい勢いで増えています。
クラウドソーシングは自分の好きな時間に、自分に合ったペースで仕事ができるのが魅力です。
とはいえ、自分でクライアントに連絡したり、単価の交渉をしたりしないといけません。福利厚生、確定申告などのサポートも基本的にはありません。フリーランス初心者にとって、多少大変な経験になるかもしれません。
最大手だとクラウドワークス、ランサーズが最も案件数が多いです。
無料登録後は、募集している案件内容を自由に覗けます。気になった案件があれば、クライアントにどんどん連絡してみましょう!
潜在クライアントに直接営業
エージェントもクラウドソーシングも、案件ごとに手数料が取られます(10%~20%が多い)。それが気になる人は、やはり直接クライアントと契約したくなるでしょう。
例えば、以前取引のあったクライアントや、前職・知り合い経由で紹介してもらったクライアントから、直接仕事を紹介してもらえることもあります。
エージェントやクラウドソーシングに登録されていなくても、人材がまったく足りていないという会社(特に中小企業に多い)は沢山あります。ポートフォリオを提示しながら、何件か営業をかけてみると、意外と高単価で受注できることも。
まとめ
今回はフリーランスエンジニアになるためのステップと具体的な方法について解説しました。
経験値が少ないと、フリーランスに転向してからも収入が低いという悩みをよく聞きます。そうならないためにも、上で解説した「独立までのステップ」を意識してみてください。
もし「将来の収入や生活について不安が残る…」という方は、もう一度記事を読み返してみて、ご自身の方向性を決めるのをオススメします。