フリーランスのプログラマーにとって収入の向上に最も直結するのはスキルです。
必要なスキル、スキルの獲得方法が気になる人も多いでしょう。
また、これからフリーランスを目指す社会人・学生の人にとっても、プログラミングの勉強で力を入れるべきポイントを知りたいはずです。
- 会社員と求められるスキルの違い
- 最低限必要なスキル、有ったら収入が伸びるスキル
- スキルの獲得方法
今回は、会社員からフリーランスに転向し、現在では自分で事業経営している現役エンジニアの私が、フリーランスのプログラマーに欠かせないスキルを解説しています。
なお、フリーランスのプログラマーになる方法と仕事の獲得術については別の記事でまとめています。合わせて参考にしてみてください。
フリーランスプログラマーはスキル不足で失敗する
まず、必要なスキルが足りないままフリーランスのエンジニアになってしまうとどうなるか考えてみましょう。
会社員との違い
会社員時代にたくさんの実績を上げて、上司からスキルが高いと評価されていても、
フリーランスになった途端にうまくいかなくなってしまう人は少なくないです。
なぜでしょうか?
それは、会社員とは求められるスキルが違うから。
フリーランスの働き方では、会社員時代に関わりのなかった業務もすることになります。
例えば、営業や事務手続き。仕事を取ってきて、納税するまでの一連の仕事も、自分でこなします。
そしてトラブルが生じた時に頼れる上司もいません。問題はすべて自分で解決していく必要があるんです。
私もフリーランスになりたての頃は、請求書ひとつ作るのにも迷いまくって…それだけで何時間もかけたことがあります。
そんなときでも自分一人でやり切るのがフリーランス。
なので、技術力が高かったり社内政治でうまくやってきた人でも、フリーランスになった途端にうまく仕事がこなせない…という事態になってしまいます。
求められるスキルのベクトル
このように、フリーランスとして活躍するためには、会社員として働いている時とは違ったベクトルのスキルが求められるようになります。
フリーランスとして働くなら、
高い確率で稼げなくなる前に、この記事で解説する内容は最低限身につけておく必要があるんです。
ポイント
- 会社員やアルバイトとはまったく違ったスキルセットが必要に
- 単に技術スキルが高いだけでは、高確率で破綻してしまう
フリーランスプログラマーが最低限必要とするスキル
それなら、フリーランスのプログラマーは必要最低限どんなスキルを持っていればよいでしょうか?
少なくとも次の能力は絶対不可欠だと考えています。
- 基礎な技術力
- 自己管理能力
基礎の技術力
まずなくてはならないのは、技術力。
その業界にとって基礎・ベースとなるような知識、スキルのことです。
プログラマーならもちろん、プログラムとプログラミング言語に対するスキルです。
実際「プログラミング」といっても、様々なジャンルがあり、それぞれの分野や業態によって使用する言語が異なってきます。例えば、あえて分かりやすく書くとこんな感じ。
基幹系 | JavaやC++、C#、COBOLなど様々 |
Web系開発 | RubyやPHP、Python、JavaScript+HTMLやPHP、CSSなど |
こうした言語を自由に扱えるのは必要な「基礎」の技術力になります。
この基礎力がないと話にならないレベルだということは覚えておきましょう。
もし、
「プログラマーになりたいんだけど、最初に何したらいいの?」
と聞かれたら、
「プログラムを書けるようになろう」
と答えます笑。それくらい大事なことです。
フリーランスプログラマーとして稼ぐなら、
論理的思考力でもビジネスマナーでも体力でもなく、まずは言語やITの知識です。
(補足)必要な知識って何だろ?
とはいえ実際のプログラミング業務では、インフラやデータ処理の仕組み、デザイン、ネットワークといった周辺知識も求められます。
ですが、仕事するうちに徐々に身につくスキルなので、最初からあまり神経質にならなくてOKです。
重要なのは、最低限の基礎的な技術力がないと何も仕事がもらえないということです。
自己管理能力
また、自己管理能力もフリーランスのプログラマーに必要最低限なスキルです。
フリーランスは原則的に自分で自由に仕事量を調整できます。
平日を休みにすることもできますし、極端ですが昼間寝て夜働いてもいいわけです。その方がパフォーマンスを発揮できる人もいるでしょうし。これが正社員では得られない魅力であり、メリットですよね。
とはいえ、急病や親族の不幸などで休まないといけないとき、どうなるでしょうか?
会社員だったら、フォローしてくれる同僚や上司がいますが、フリーランスの場合は基本的に自分一人で対応しなければなりません。休みたくても絶対に休めないタイミングは出てきます。
そしてもし約束していた納期に遅れてしまったら、信頼を失ってしまう可能性があります。
なので、事前に「余裕をもった納期を提示しておく」「時間がかかりそうな作業を把握しておく」「風邪を引かないように生活をする」「トラブル時の対応を想定しておく」などができて一人前になります。
つまり、スケジュール管理や体調管理を自分でできる力(自分自身をコントロールできる能力)が必要になるのです。
ポイント
- 絶対に不可欠なスキルは「基礎の技術力」「自己管理能力」
- これらは信頼を獲得し、生活するのに十分なお金を稼ぐのに最低限必要
フリーランスプログラマーに必要なスキル一覧
フリーランスのプログラマーに必要なスキルとしては、できればもう少し覚えておいてほしいことがあります。
逆にいえば、このスキルまで身につけることができたら、かなり自信をもって仕事を受けられるようになるはずです。
- コミュニケーション能力
- 自分で学習する力、情報収集能力
- 成長志向
コミュニケーション能力
フリーランスのプログラマーとして稼いでいくには、コミュニケーション能力が欠かせません。
とはいえ、ここでいう「コミュニケーション能力」は、別にコミュ力おばけや陽キャになれといっているわけではないです。
フリーランスエンジニアが身につけるべきコニュニケーション能力とは、必要なことを必要なタイミングで伝達できる能力です。
個人で仕事をしているときはクライアントとの情報交換が欠かせませんし、チームで働いているときには進捗状況や課題の共有が常に求められます。
そんなとき、
- 伝えるべきことを伝えなかった
- 解釈に幅のある、あいまいな表現で会話した
- 理解に時間がかかるようなコメントを残した
こうするとどうなるでしょうか?
一度トラブルが起きれば、最悪の場合クライアントからは信用を失い、仕事をもらえなくなってしまいます。また、チーム全体の進捗が遅くなり、プロジェクトが完了するまで余計に働くことになるでしょう。
そうした事態を避けるために、最低限必要な伝達能力(コミュニケーション能力)は重要です。
(補足)高い収入につながるコミュニケーション能力
さらにいえば、安定した仕事量を維持するには、新たなクライアントや案件を見つけていくことも必要になってきます。
なので、
- 最低限のビジネスマナー
- わかりやすい提案文をつくる能力
- 案件を渡しやすくなる誠実な姿勢
- 自分自信のスキルや能力を紹介できる力…
などを身に着けておくと、より高い収入につながっていきます。
自分で学習する力、情報収集能力
プログラマーの生きる世界では、昨日流行っていた技術が、明日には時代遅れになっていることも多くあります。(多少誇張ですが、あながち間違ってないと思います)
技術がどんどん進歩し、それにまつわる情報も追加されていきます。
なので、自分から進んで新しいものを吸収しようとしないと、あっという間に業界に置いていかれます。
最新のスキルを身に付けようとする貪欲なマインドは、どんなにプログラマーとしての腕が上がっても、維持すべきだと思っています。(そうしないと稼げなくなるので)
また、
「どんなところから情報を仕入れたらいいか」
というのも重要なスキルのひとつです。
SNSで間違った情報が拡散することがあるように、エンジニアの世界でも正しくない情報や効率の悪い情報はたくさんあります。
そうしたヤバい情報を避けながら、効率よく学習をすすめていくスキルが求められるのです。
(補足)どんなことを勉強すればいいの?
プログラミングなどの技術面に関するスキルだけでなく、周辺知識を身につけるとより稼げるエンジニアになれます。
例えば、クライアントのこと。
クライアントの業界特有の知識やルールなども習得しておきます。
そうすると、それらの知識が無いのと比べて、顧客にとっては圧倒的に魅力的な提案ができるはずです。コミュニケーションを円滑に進めて、クオリティの高い仕事にもつながっていきます。
その他にも投資や会計のノウハウは、プログラマーとしての仕事では特定の業界で役に立ちますし、もし将来自分でビジネスをしたり投資家になったときにも役に立ちます。
そうした知識は自分が働けなくなるまで役に立つものです。「今はいいや」と思ったとしても、長い目で見れば収入を大きく増やします。
費用対効果の大きいことを学びに行く姿勢を忘れたくないですね。
成長志向
もう一歩踏み込むと、稼げるフリーランスプログラマーの多くは成長志向を持っています。
少し稼げるようになってくると、その現状に甘えがち。
「今の収入でもそれなりに幸せに暮らせてるし、今のような仕事を続ければいいや」
という感じですね。
そうした考え方も全然否定しませんし、むしろ生き方は人それぞれなので現状維持というのも最適解のひとつです。
ですが「より多く稼いで自分のステージを上げていく」という視点を持っているエンジニアなら、常に成長志向です。
- 昨日より今日ができることが確実に増えている
- クライアントの期待よりも多くの貢献をする
- 去年の収入を大幅に超えていく
- 法人化し、業務を仕組み化していく
こうした成長志向を持ち続ければ、技術力やアウトプットの質が高まり、対応できる仕事が増え(自分で仕事を選べるようになり)、結果として稼ぎが増えていきます。
最後は精神論になりましたが、だんだん昇給していく正社員とは違って、フリーランスでは成長志向のマインドを持たなければ収入はほぼ上がりません。一時的に稼いでも、自分が持続的に成長しないと結局はもとに戻ってしまうからです。
ここまで解説した内容をまとめます。
必要とするスキルを一覧にしました。
必要なスキル | なぜ必要なのか? |
---|---|
基礎の技術力 | ないと仕事がもらえない |
自己管理能力 | 信用を得て仕事を続けていくため |
コミュニケーション能力 | 仕事を円滑にするため |
自分で学習する力、情報収集能力 | 稼ぎを増やしていくため |
成長志向 | 収入面で上のステージに上がるため |
フリーランスプログラマーがスキルを広げる方法まとめ
こんな疑問をもちませんか?
「いまさらスキルを身に着けていくの大変そう…」
「そもそもどうやって情報を集めればいいの…」
さて、どんな方法でスキルセットを広げていけばいいでしょうか?
会社員の場合は、社内の勉強会など、会社が用意してくれる機会も多いですよね。
ですがフリーランスの場合は、スキルアップのチャンスを自分でつくり出す必要があります。
スキルを広げる方法は、本当にいろいろな方法があります。まずは主要なものだけをここで解説しますが、人によって効率のいい方法は違います。なので、実際はいろいろ試してみるのがおすすめです。
- 本を読む
- オンライン学習やプログラミングスクールを受講
- イベント、セミナーへの参加
- 手を動かす
本を読む
一番ベーシックなのは、本を読むこと。
投資額は一番小さいですが、それなりに投資効果が高いのがメリットだと(私は)思っています。
参考書一冊に書かれている情報は実際、膨大です。
たとえ何となく流し見したとしても、それなりの新しい発見が得られるはずです。
また、仕事で空いた時間を利用したり、自分のペースで進めていくことができるのが特徴。
キンドルなど電子書籍で十分なので、まずは技術書などを流し見してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
本のデメリットは、目標を達成できるかどうかが全て自分次第というところ。本を読む時間の確保や、本をもとに手を動かしてアウトプットする時間の確保も大切です。本の中身を全部覚えようとして効率の悪い学習になることも、よくある失敗例です。
オンライン学習やプログラミングスクールを受講
次に、オンライン学習のサービスを利用したり、プログラミングスクールに通ったりする方法です。
費用と時間はそれなりにかかりますが、最も投資効率の高い方法です。
なぜなら、効率的に学習内容を吸収できる教師とコンテンツが用意されているから。
プロの講師が教えてくれるというのも大きいポイントです。これからプログラマーになる人にとって時間は貴重です。分からない部分を講師に直接質問をして短期間で解消できるのは大きなアドバンテージです。
講師の存在は「なにから手を付けたらいいかわからない!」という状況にある人にとって、大きな頼りになるはずです。なので、自分一人で勉強するのが不安だという場合にも活用できる方法です。
安心感のあるスクールならTechAcademyが有名でおすすめです。
気をつけないといけないのは、質の低い講師や教材を提供しているスクールもあるということです。上で挙げたところは安心の大手ですが、それ以外はしっかりと調査してから受講しにいくべきでしょう。以下のページでは、現役エンジニアが調査して、安心してオススメできるスクールをまとめています。時間のある際に参考にしてみてください。
-
【2021年】プログラミングスクール厳選3校とおすすめの選び方 現役エンジニアが教える失敗を避けるテクニック
キャリアアップのため、または高収入を目指して、しっかりプログラミングを学びたいという人が増えてきましたね。 この記事では現役のエンジニアである私が、実際に仕事で稼げるよう ...
続きを見る
イベント、セミナーへの参加
その他には、プログラミング学習のイベントやセミナーなどに参加するという方法もあるでしょう。
ネットで事前に情報が公開されるため、目当ての内容のものに絞って、効率的に参加して学んでいきやすいという特徴があります。
最近だとウェビナー(Zoomなどでライブ配信)開催が多いので、手軽に参加できるものもあります。
単にスキルを習得できるだけでなく、同じ仕事をしている仲間との交流の場でもあります。
むしろ、私の場合はそちらの方が重要だと思っていて、同じ仕事をしている以上、情報交換が色々とできます。仲良くなると、人づてに新たな仕事につながることもあります。
それが講演者でも参加者でも、同じようにフリーランスで仕事をしている仲間から刺激を受けて、モチベーションをもりもり上げられるのもメリットですね。
手を動かす
一番、スキルアップにつながる方法ってなんでしょうか?
それは実際に仕事をすること。
これはもう、不動の第1位です。
プログラミングをしたり、クライアントとやり取りをする中で、分からないことや不安になることが出てきます。
まさにそのときが成長のチャンスです。
そこで調べたり、分析したり、質問したり、練習したりなどしてスキルが身についていきます。積極的にプログラムを書いて、仕事をもらいにいきましょう。
まとめ
今回の記事ではフリーランスのプログラマーが持つべきスキルセットと、その身に付け方についてまとめました。
今後フリーランスという働き方を目指す人、そして今まさに問題に突き当たっているフリーランスの人の参考になれば幸いです。
-
フリーランスのプログラマーになるには?現役のプロがまとめました
会社員でプログラマーとして働いている人、インフラやネットワークのエンジニアとして働いている人の中には、フリーランスのプログラマーとして独立、もしくは転向したい人もいるので ...
続きを見る